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2022.07.20
WE MAKE CULTURE

アーティストが切り取るアーバンスポーツ

ARTISTS MEETS URBAN SPORTS.

都会の街中でも自由なマインドで楽しめるアーバンスポーツは、エクストリームスポーツの枠を超え、ハイスピードで発展しています。6月4日、5日に横浜の赤レンガ倉庫で開催された「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2022」は、音楽ライブをミックスした国内初のアーバンスポーツの祭典として、賑わいをみせました。二人のアーティストが実際に会場に訪れ、自分たちのシャッターで切り取り、感じたその新しいカルチャーの盛り上がりをレポートします。

xiangyu
KEIGO TATSUMI

Report1
xiangyu
Report1
xiangyu

初めて見るスポーツばかりでしたが、観客と選手がひとつになって、全員でチームみたいな雰囲気があるなって思いました。勝ち負けってつきものだけど、なんだか風通しいいなって。だから初めて見る人にもすごくやさしいし、気持ちが入りやすいかも。とくに女子のスケートは、技トライして失敗してもみんなで称え合っていて、仲間同士で競い合っている感じ。それを間近で見ると、めちゃくちゃ感動します。

ファッションとかヘアスタイルに拘っている人が多いことに驚きました。森の中やキャンプ場とかでこういうイベントをやると、動きやすさとか、防寒とか、虫に刺されないとか、雨に打たれても大丈夫とか、いわゆるフェスファッションみたいになりがちだけど、分厚いヒールを履いてたり、バチバチにお腹出している人も多くいて、すごいかっこいいなって。

Photo:xiangyu

会場でかかっている音楽もヒップホップだったりするから、みんながテンション上がって夢中になっているのも納得。サッカーとか、野球とか、いわゆるメジャーなスポーツ? それもあんまり見に行ったことないですけど、入場曲とか、応援歌ってイメージがあって。それだとアスリートに対してのリスペクトはあるけど、スポーツ自体を盛り上げるのとはちょっと違うのかな。でも、今日はライブを見ているような高揚感で楽しめるというか。私は、音楽の力が担っている部分はかなりあるんだろうなって。だからライブのラインナップも、このスポーツに興味があるだろうなって人との親和性が高いと思う。

スケートボードもオリンピック競技に採用されて、最近すごく盛り上がっているけど、今日ここでやっているスポーツは、応援する側とアスリートの距離っていうのが、いいバランスだなって。私も音楽やっていて、お客さんとの距離感ってすごく意識します。近い方が好きだけど、何をされても、何を言われてもいいみたいなスタンスは絶対なくて、そこはコントロールしているつもり。ライブってファンとの一体感が一番大事だから、コミュニケーションの壁は取っ払うけど、自分のパーソナルを守るための壁は崩さない。そういう意味でのバランスです。それが今日は心地よかった。

応援している人たちの結束力っていうのかな。すごく強い気がして。楽しいし、暑いし、お酒とかもあって、マスクとか外す人がいても会場のスタッフがちゃんと注意すると守っていたし、ゴミもみんなで拾ってた。しかもめちゃくちゃ分別されてる! そういうマナーが、アーバンスポーツって文化を押し上げるんじゃないかって。そんな気がしました。

PROFILE

xiangyu(シャンユー)

日本の女性ソロアーティスト。名前は本名に由来。南アフリカの新世代ハウスミュージック、GQOM(ゴム)のエスニックなビートと等身大のリリックをベースにした楽曲で、関東を中心に活動中。2021年にはエスニックで異国情緒溢れるサウンド「MANHOLE」をリリース。クラブ界隈でも未開拓なジャンルに挑戦。また音楽以外でも、元々活動しているアートやファッションなど垣根を超えて活躍。2022年7月には映画『ほとぼりメルトサウンズ』で主演と主題歌を務め、女優としての活動も挑戦している。


 

Report02
巽啓伍
Report02
巽啓伍

晴天!とは言いづらい不安定な天候の中、横浜赤レンガ倉庫で行われたYOKOHAMA URBNA SPORTS FESTIVALの熱量は、燦々(さんさん)と輝く太陽のソレと同等か、それ以上でした。

ひたすらに自分と向き合いプレイする選手たちと、iPhoneを片手に応援する人たち。それを遠目に野っ原に寝転んだり。ベンチで友人とアルコールを交わしながら試合を見たり。停泊している船や海を合間に眺めたりするのもいいですね。

入場フリーどころかストレスフリーな都市型のフェスティバルは横浜という場所で音楽とスポーツをミックスしたこのフェスならではかもしれません。

Photo & Text:KEIGO TATSUMI

友だち、老夫婦。スケーター。

本当に同じ場所なのかと疑ってしまうような穏やかさと熱が同居する。

成功しても、失敗してもどこか満たされない表情をする選手たちに先を見据えた志を感じる。

掃除してくれる人、うつむく子供、働くスタッフ。掃除してくれなきゃ地面にも座れないし、スタッフがいなきゃイベントは成り立たないし。

人が写っていなくても、車やコースを作り、設置した沢山の人を感じるし、人が写っていれば、その人はどこから来て、ここにいて、何を感じて、どこに帰るんだろうかという背景を想像できる。それだけで良い気もする。

PROFILE

巽啓伍(タツミケイゴ)

ミュージシャン、写真家。バンド・never young beachのベーシスト。写真家として作品制作を中心に、クライアントワークも行う。