KOSÉ 8ROCKSのチャンピオンシップに密着!
REPORT ON KOSÉ 8ROCKS'S ROAD TO VICTORY.
2022年6月5日、日本発のダンスのプロリーグである「第一生命 D.LEAGUE 21-22 CHAMPIONSHIP」が東京ガーデンシアターで開催され、BEAMS SPORTSがチームウエアをプロデュースするKOSÉ 8ROCKSがみごと初優勝を飾った。圧倒的なパフォーマンスで会場を魅了し、興奮と感動に包まれたそのダンスバトルの様子をレポート!


チャンピオンシップとは?
12ラウンドで構成されるレギュラーシーズンを勝ち抜いた上位4枠に加え、ワイルドカード2枠(レギュラーシーズン5位以下のチームの中で「ジャッジポイント」の合計が最も高いチームと「オーディエンスポイント」の合計が最も高いチームが選出)の計6チームが争う決勝トーナメント。KOSÉ 8ROCKSはレギュラーシーズン3位の成績でチャンピオンシップ進出を果たした。
KOSÉ 8ROCKSとは?
ブレイクダンス世界チャンピオンとして名を轟かすISSEIをディレクター兼ダンサーに起用し、日本で活躍する有名ダンスチームからメンバーを集結したD.LEAGUE唯一のブレイクダンスチーム。アクロバティックな合わせ技を得意とし、高速で展開されるルーティンやバラエティに富んだスキルの数々が、音楽との相乗効果で観る者を魅了する。チームビジョンは「ブレイキンの力で世界を笑顔に」。
Trial Match VS. dip BATTLES
Trial Match VS. dip BATTLES
トライアルマッチ VS.dip BATTLES
大会直前に3人のメンバーが新型コロナウイルスに感染し、出場できないという想定外の事態で本番を迎えることになったKOSÉ 8ROCKS。時間がなく、かなり大変だったはずだが、この日会場に集ったメンバーの表情は一様に明るい。ピリついた空気はなく、いかにも普段通りという感じで、開演前には欠場したメンバーと繋いでオンラインミーティングを行うなど、チームとしての結束力の高さと仲の良さがよく伝わってくる。
初戦の相手はワイルドカード枠のdip BATTLES。レギュラーシーズンの成績では上回っているけれど、だからといって油断はできない。ミリタリーベストや6ポケットを連想させる要素を取り入れたアーミー風ジャージに身を包んだKOSÉ 8ROCKSのショーは、最強ブレイキン兄弟であるISSEIとTaichiのパフォーマンスから幕を開けた。スキルや組技をメインに次々と技を繰り出し、その人間離れした動きは観る者を一瞬でロックオン。中盤で組技とアクロバットを織り交ぜた通称「ダブルルーティン」を決めると、会場のボルテージは一気に盛り上がり、後半にかけてパフォーマンスはさらに加速していく。そして、Taichiにしかできない必殺のルーティン、通称「フランスパン」でラストへ。初戦から異次元のダンスを見せつけたKOSÉ 8ROCKSは、審査の結果、8-1の大差で勝利を収め、危なげなく初戦を突破した。
SEMI FINAL Match VS. FULLCAST RAISERZ
SEMI FINAL Match
VS. FULLCAST RAISERZ
VS. FULLCAST RAISERZ
準決勝 VS.FULLCAST RAISERZ戦
続くセミファイナルの相手は宿敵FULLCAST RAISERZ。昨年のリベンジマッチということもあり、メンバーの気合は十分。ウォームアップを終え、いつものように円陣を組もうと集まったとき、先に行われていたセミファイナルの1試合目で優勝候補の筆頭に挙げられていたSEGA SAMMY LUX がavex ROYALBRATS に敗れるという結果が入ってきた。円陣の中でISSEIが「流れ来たね!」と言うと、それに応じるようにメンバーのテンションは一気に上がる。セミファイナルでは一転、これまでにないJAZZYな世界観を表現するため、セットアップスタイルで登場したKOSÉ 8ROCKS。この衣装はBEAMSがスタイリングをサポートしたもので、インナーには柄シャツを合わせ、JAZZの持つクールな雰囲気をイメージ。ショーはTETSUによる滑らかなチェアーグライドで始まり、ジャズミュージックに載せて、緩急ある軽やかなフットワークとブレイキン特有のパワームーブが展開していく。KOSÉ 8ROCKSが持つ高いスキルを存分に生かし、ブレイキンの新たな可能性を広げたパフォーマンスに会場は大いに盛り上がり、またも8-1の大差で勝利。念願のファイナル進出の切符を掴んだ。
FINAL Match VS.avex ROYALBRATS
FINAL Match
VS.avex ROYALBRATS
VS.avex ROYALBRATS
決勝 VS.avex ROYALBRATS戦
勝利の余韻に浸る間もなく、メンバーはバックヤードの通路を走って移動し、衣装チェンジに向かう。決勝の衣装はTシャツにデニムにスタジャンという、B-BOY、B-GIRLスタイル。すでに2試合を戦って疲れてはいるけれど、その表情は明るく、何より楽しそう。決勝の相手はavex ROYALBRATS。「最高のショーにしよう。そうすれば結果はついてくる」というISSEIの言葉どおり、KOSÉ 8ROCKSは最大の強みである個々人のスキルの高さをこれでもかと見せつけ、会場の視線を釘付けにする。
こうなるともう無双状態だ。ラスト、ISSEIがジャケットを客席に投げ込み、そこからパワームーブを繰り出し、ピタッとフリーズ。その瞬間、会場から大きな歓声が上がった。勝利を確信したかのようにステージ上で抱き合い、感情を爆発させるメンバー。結果は7-2でKOSÉ 8ROCKSの勝利。チーム結成当初からの目標であるチャンピオンシップ優勝をついに成し遂げた。
表彰式が終わると、今季限りでチームを離れることになるISSEIのためにセレモニーが行われ、会場は涙と感動に包まれた。退団の理由は、一人のB-BOYとして自分の活動の幅を広げたいという思いからであり、具体的にはブレイキンが正式種目となった2024年のパリ五輪を目指すという。そして、KOSÉ 8ROCKSの次なる目標は、レギュラーシーズンとチャンピオンシップをともに獲り、完全制覇すること。10月に開幕する22-23シーズンが今から待ち遠しい。